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古き時代に魅せられて

P1010543 P1010544 古い時代を感じさせるものが好きである。その事に気がついたのは
ちょうど10年前。県内某所に用があって帰り道に
代々経営してると思われる古本屋に入った。こじんまりとした店舗に大量の古本が並ぶ
これは相当古い本だろうなと思い、何気なくとった本の巻末を見ると 昭和二十八年 初版発行 とあった。
昭和二十八年!こんな古い本があるのかと本当に驚いた。
もっと茶色に変色した本ならもっと古いのでは。。と思い樹皮のように変色した本を探して
巻末を見ると 昭和二年 十一月 初版発行 とあった。 まさか戦前のしかも昭和一桁の本に
出会えるとは思わなかった為、妙なハイテンションな感情に駆られた。田舎なので空襲の被害に遭わずに、70年(当時の計算)もの時を刻んだのだと思うと
感慨深かった。これが、古き時代のものに魅せられた最初の記憶である。その後、古いものに魅せられて
下町や古びた家屋の多い地域に出向いた時に
見つける古い商業ポスターや、70年代風のレタリングに魅せられたりしたものだった。
昔の映像はあまり残っていないし、カラー映像でもないので
戦前やそれより以前(大正時代)の日本の都会がどれくらい近代化してたのか
非常に関心があるのだ。だからその当時を思わせるものに出会うと特別な感情を抱く。
ある日歴史的なものと全く無縁そうな街、渋谷のセンター街を抜けてNHKと向かいの
渋谷合同庁舎の敷地内の一角にひっそりとそびえる高い観音像を見つけた。
へ〜こんな街にこんな高い観音像があったんだ と思い見て見ると
刑死した二十名と自決二名 略)慰め且つ事件の意義を永く記念すべく~略)とあった。
ニ.ニ六事件の実行者のうち17名の青年将校や民間人がこの場所(当時は東京陸軍刑務所があった)で処刑された事による慰霊碑らしい。遠い日の昭和の歴史をこんな所で忍ばせる物に出会えるとは思わなかった為
ひときわ感慨深いものがあった。別の日に渋谷に立ち寄ったついでに
再びそこを訪れると、慰霊碑に線香をあげている男性がいた。そういえば前回見た時も
花が手向けられて綺麗にされていた。刑に処された将校か民間人のご遺族なのか、渋谷合同庁舎の職員なのかは知らないが
事件当時、賊軍扱いされた彼ら(正直彼らの無謀さは理解できないが)に終戦から20年経った
昭和四十年に慰霊碑が建立されて今なお花が手向けられるとは本人達も驚いているだろう。
またわざわざ2回も足を運ぶ70年後の世界に生きる、風変わりな私にも不思議な思いで見ているかもしれないが。

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